白黒王国国政創造推進課特別室

アクセスカウンタ

zoom RSS 新☆LME学園 068

<<   作成日時 : 2013/10/17 21:47   >>

面白い ブログ気持玉 7 / トラックバック 0 / コメント 0




 不安そうではあったが、感情の動きを感じられる蓮の反応は、死んだような静寂の10年よりずっといい反応だと思う。

 セバスチャンからジュリエナが目を覚ましたことを聞いていた俺は、最上くんの活躍を誇りに思った。

「ジュリエナだけではなく、あいつの心も変えたか……」

 いや、蓮の心を変えたからこそ、ジュリエナが目を覚ましたというのが正解だろうか?

 電話で蓮と話しながら、俺は窓の外……中庭にいる最上くんをずっと見つめていた。

 疲れているだろうに、そんな表情はまったく見せずに、最上くんは彼女に群がる子供たちに笑顔を見せている。俺の考えが間違っていなければ、彼女も本当は蓮に会いたいんじゃないだろうか。

 蓮とは違う意味、違う気持ちだったとしても、蓮やジュリエナの状況をきっと気にかけているはずだ。それでも、そんな本心を見せることなく、子供たちと本当に楽しそうに笑いあっている。

「もしかすると、最上くんには女優の才能があるのかもしれんな」

 自分の思いつきに俺はやけに納得して頷く。そんな俺の自己満足にツッコミが入る。

「いまさらなに言ってるの!? おじい様! お姉様なら女優でも、モデルでも、博識タレントでもいけるわ!」

「マリア、いたのか」

 アンティークのテーブルの下から出てきた孫娘に俺は驚いた。

「てっきり、最上くんの傍にべったりくっついているもんだと思ったぞ」

「お姉さまは人気者だから、独り占めするのは難しいの!」

「それで、諦めたのか?」

「そんなわけないでしょっ!! お姉さまを独り占めするために、『君もこれで魔女になれる! 世界の毒蜘蛛型ケーキを作ろう!』を取りに来たのよ!!」

 マリアは手に持った図鑑みたいなぶ厚い料理本を掲げて見せた。

「……なるほど。そんなものを作りたいと思うのも、食べたいと思うのもお前だけだし、それに付き合ってくれるのも最上くんだけだからな」

 他の子供たちは逃げていくに違いない。

「そう! いい考えでしょっ!」

 誇らしげに胸を張ったマリアは料理本をしっかりと抱きしめて、「じゃあね、おじいさま!」と言って部屋を出ていった。

「……蓮が到着するのは、丁度ケーキが焼ける頃か? 俺が思っていた以上に、手ごわそうだな」

 蓮の敵になるのはマリアだけではない。

 子供たちは皆、最上くんが大好きなのだ。夏休みには確実に帰ってくるだろうと思っていた最上くんがクーのところにいた間、子供たちは最上くんを取られたような気分だったはずだ。

 夏休みはもう残り少ない。やっと最上くんが戻ってきたというのに、子供たちが快く蓮を迎え入れるわけはない。

「さぁ、どうする……?」

 あいつらは、なかなか手ごわいぞ。

 そう笑った俺にまた声をかける者があった。

「おっさん、楽しそうだな」

 マリアが出ていった扉のほうへ視線を向けると、一人の少年が呆れた目をこちらに向けていた。

「なんだ。お前もこんなところにいたのか」

「マリアはどうした?」

「マリアならいま最上くんのところに行ったよ」

 それを聞いた少年はチッと舌打ちをする。

「あのガキ。無駄足じゃねーか」

「いや、お前もガキだろう?」と、マリアと同い年の少年に俺はツッコミを入れたが、彼にはそんな言葉は届かなかったらしい。

「じゃーな。おっさん」とその場を去ろうとする彼に俺は聞いた。

「お前が犬猿の仲のマリアを探しに来るなんて、槍でも降りそうだな。最上くんに言われたのか?」

 引き止められたのが気に入らなかったのだろう。少年の眉間に深い皺が寄る。

「他に理由なんてねーだろ」

 素直な返答に俺は苦笑する。

「お前もずいぶんと丸くなったな」

 ここに来たばかりの頃は俺の言葉に足を止めて返事を返すなんてことはなかったのに。

「あ?」と、態度は悪いながらも律義な返事を返すまでに成長している。

「お前が変わったのも、最上くんのおかげだな。尚」

 ふんっと鼻を鳴らして、尚は中庭へと戻っていった。





☆☆☆☆☆☆☆☆


どこかで出そう出そうと思っていた松。。。
学校側に出しちゃうと貴島さん辺りに瞬殺されそうだし。(存在感が)
いまさらキョコさんともめられても話に繋がりがなくなりそうだし。
キョコさんにピュアラブにするにしても、ここまできてそれもインパクト弱いし。。。
そうだ! “子供たち”にしちゃおう! ということで、こんなことになりました。
猫が書く松としては超珍しいピュア松をお楽しみください☆


テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 7
面白い 面白い 面白い 面白い
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
新☆LME学園 068 白黒王国国政創造推進課特別室/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる