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zoom RSS 新☆LME学園 026

<<   作成日時 : 2012/02/07 15:01   >>

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 セバスチャンさんに案内された場所は驚くことに車で二十分程で着く学園の敷地内だった。

 女子寮の窓から見て、森だと思っていたそのなかに、西洋にあるような石造りのお城があった。

 お城のなかに入り、セバスチャンさんの後をついて行くと広く長い廊下の先に書斎がある。

「キョーコ! よく来てくれたね」

「おじ様、ここは……事務所ですか?」

 おじ様はLME学園だけでなく、いくつかの養護施設や保育園、小学校、インターナショナルスクールを経営していることは知っていたから、このお城はその事務所なのかと思った。

 しかし、私の予想に反して、おじ様は「いや」と否定の言葉を言った。

「俺の家だよ」

「ええっ!?」

 ここが個人の家だとは、にわかには信じられなかった。

「どうだ? お城みたいだろ?」

「はい……」

 “みたい”というか、お城そのものです。

 呆然と小さめのシャンデリアの飾られた天井や美しい装飾の壁、品のある絨毯の敷かれた床を眺めていると、「さっそくだが、仕事をはじめてもらいたい」とおじ様が話しだした。

 私は我に返り「はい!!」と背筋を正す。


「じゃ、頼んだよ」とおじ様がセバスチャンさんに言うと、セバスチャンさんは二度手を叩いた。すると、二人のメイドさんが部屋へと入って来て、彼女たちは私を別室へと連れて行った。

 そして、三十分後、私は彼女たちと同じ服に着替えさせられ、さらに黒髪長髪のウィッグをつけられ、眼鏡もかけさせられた。


「あ、の……おじ様、この格好は……」

 再びおじ様の部屋へと連れて来られた私は、慣れない服装にそわそわと落ち着かない気持ちで聞いた。

「メイドだ」

「どうして、私がメイドの格好を……」

「夏休みの間、この屋敷でメイドとして働いて欲しい」

「おじ様のお手伝いをするのではなく?」

「この屋敷で働くのだから、もちろん、俺の手伝いだ」

「そういうことではなく、私、おじ様のお仕事のお手伝いをするのかと思っていたんです。専門的なことは難しいかもしれませんが、書類のコピーだったり、電話応対だったり、簡単なものでしたら資料作成などもできると思うんです。でも、メイドとなると……私、お役に立てるかどうか……」

 おじ様の力になれるかもしれないと思っていたけれど、メイドさんのお仕事となると、すこし自信がなかった。お掃除や洗濯、お料理は苦手ではなかったけれど、メイドさんのお仕事はきっとそれだけではないはずだ。まさか、「いらっしゃいませご主人様」とか言って、あられもない姿になることはないと思うけれど……テレビで見たメイドさんのイメージが強すぎて、私は正しいメイドさんのお仕事を知らなかった。

 私の顔に“不安”の文字が貼りついているのを読んで、おじ様は説明を補足した。

「普通のメイドとしての仕事を頼みたいのではないんだ。キョーコには、私の妻の世話をしてもらいたい」

「……おじ様の奥様?」

 専属メイドということだろうか? それならば、できるだろうか……? 奥様に仕えるならきっと、「いらっしゃいませご主人様」とか言って、あられもない姿になることはないだろう……。

「妻は……」と、おじ様はすこし言葉を躊躇い、それから私に真っ直ぐな眼差しを向けて言った。

「妻は、精神を患っているんだ」

 おじ様の言葉に私は再び不安になり、そして、自分の浅はかさを後悔した。

 私は、おじ様のお手伝いができればと思っていたけれど、それは簡単なことではなかったのだ。頑張ればいいとか、そういうことではないのだ。

 身体であれ、心であれ、病をかかえている人の手助けが、そんな易々とできるとは思わなかった。

 けれど、一度やると引き受けたものを、放り投げるわけにもいかない。

「……私で、お役に立てるのでしょうか?」

 覚悟を決めて、改めてそう聞いた私におじ様は深く頷いた。


「ただ、彼女に優しく接してくれたらそれでいいんだ」


 穏やかなその声を聞くだけで、おじ様がどれほど奥様のことを愛しているのかがわかる。

「彼女の心が病んでしまった理由はまだ話せないけれど、君に、彼女の傍にいてもらいたいんだ」

 なにも知らずに奥様のお世話をすることには不安がある。けれど、私はなにも聞かずに「わかりました」と答えた。

「私になにができるかはわかりませんが……やってみます」

「頼むよ」と、おじ様は優しく微笑んだ。私はそんなおじ様の眼差しにすこし恥ずかしくなりながらも、もう一つの疑問点を聞いた。

「あの、もう一つ、お聞きしたいのですが……」

 ある意味で、このメイドの姿よりも不思議だった点。

「なんだ?」

 私は自分の肩にかかっているストレートの美しい黒髪を手に取った。

「奥様のお世話と、このウィッグと眼鏡はなにか関係があるのでしょうか?」

「うむ……すぐにわかるとは思うが、この屋敷には俺と妻以外にも住人がいる」

「……」

「そいつをな……すこし、びっくりさせてやりたいんだ」

 それと、私のこの格好が関係ある……?

「その方は、私の知っている方なんですか?」

「それは……キョーコにも秘密にしておこう」

「え!?」

「君にも、びっくりしてほしいからね」と、おじ様は年甲斐もなくウィンクする。年甲斐もないウィンクだと思いつつも、その姿は様になり、カッコよく見えてしまうのがすこし悔しい。

「とにかく、その格好も意味がないわけじゃないから、勝手にウィッグを取ったりしたら駄目だぞ」

 楽しげにそう言うおじ様に、やはりこの人も宝田園長の類友なんだなと、いまさらながらに私は思った。









********


いらっしゃいませ。ご主人様。


キョコさんならきっと、本当のメイドさんでも、メイド喫茶のメイドさんでも、そつなく業務をこなせると思います。

しかし、あられもない姿はちょっと……させられませんね。蓮氏にどつかれるw


でも、、、キョコさんに上目遣いで「いらっしゃいませ。ご主人様」とか言ってもらいたい気もするw

ねこが個人的にwww ←どつかれるだけじゃ済まない。



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