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zoom RSS 新☆LME学園 017

<<   作成日時 : 2012/01/26 16:30   >>

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「はい」という社さんの返事の後で「失礼します」と扉を開けたのは彼女だった。

 部屋のなかに入ってきた彼女はすこし部屋を見回して、すぐに目当ての人物である社さんを見つけると腕に抱えていたファイルを彼へと差し出した。

「頼まれていた資料です」

「もう出来たの!? 仕事早いね!」

 社さんはファイルを受け取り、その中身にさっと目を通して漏れがないことを確認するとお礼を言った。訂正ややり直しがなさそうだということがわかると、彼女は「では、失礼します」と頭を下げて、入ってきた扉へと再び向かう。

 その間、俺へは視線を合わせない……いや、別にそれは不自然なことではない。生徒会の業務でこの部屋へと来たのだから、業務を遂行すればそれでいい。別に、他の人間のように俺に無駄な愛想を振る必要性などどこにもない……


 どこにもないのだが、苛立ってしまうのは、なぜだろう……?


 早々に部屋を出ていこうとする彼女を社さんが「ちょっと待って!」と引き止める。そして、横目で俺に視線を送ると、にやりと意味深に笑った。

「キョーコちゃん、お昼ご飯食べた?」

「いえ」

「じゃ……」

 社さんの笑顔が深まり、俺は嫌な予感を抱く。

「蓮と一緒に食べてやってくれない?」

「社さん!!?」

「こいつね、ほっとくと一日何も食べないんだ」

 困惑している彼女に社さんがそう言うと、彼女は驚いたように俺へと視線を向ける。

 やっと視線の合った彼女の目は、信じられないものでも見るかのように俺を凝視する。

「俺の言うこともなかなか聞いてくれないしさ。こいつを食堂まで連れて行ってご飯食べるのに付き合ってほしいんだ」

「俺は大丈夫ですよ。お腹は空いてないですし、食堂なんて行かなくても……」

 俺は机のなかを探って、たいていお昼に食べているものを取りだした。

「これがあるし」

 俺が取り出したものを見て社さんは呆れ……彼女はますます疑いの目で俺を見る。

「だから、お前、それは……」

「それは栄養補助食品であって、主食にするようなものではありません!!」

 社さんの言葉を遮って、部屋に響いた大きな声に俺と社さんは驚いた。

「栄養補助食品で効率よく栄養が取れると思っているのかもしれませんが、その量で、会長のような大きな体型の人の活動量をカバーできるとは思えません!! 補助食品はあくまで補助食品であって、それだけで栄養を賄えるなどと思ったら間違いです!」

「……だ、だよね」

 彼女の過剰な反応にさすがの社さんも逃げ腰で頷いている。

「キョーコちゃんの言うことはもっともだよ。だから、キョーコちゃん、こいつにちゃんとご飯食べさせてきてほしんだ! よろしくね!!」

 早口で言いたいことだけを言って、社さんは俺と彼女を生徒会室から出すと、なかから鍵をかけた。





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