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zoom RSS 新☆LME学園  番外編 04

<<   作成日時 : 2014/06/27 12:27  

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   『あの時の話』



 演劇部の公演にキョーコちゃんを出演させないための交渉を終えたころ、見るからに機嫌のいい蓮が真っ赤な顔のキョーコちゃんの手を握って帰ってきた。

 その様子を見ただけで、貴島がいいあて馬になってくれたことがわかった。

「蓮、交渉は終わったから、帰ってもいいぞ」

「さすが社さん。ありがとうございます」

 部室から出る一瞬、ちらりと貴島を盗み見ると、意外にもそんなに悔しそうではなく、むしろ、どこか満足げだった。

「お前、最初っから……」

 先を歩く二人には聞こえないように小声でそう聞くと、「いや、」と貴島が答える。

「あわよくば、俺のカノジョに……とは思ってたよ?」

 そして、「ただね」と言葉を続ける。

「さっさと答え合わせがしたかったんだ」

「……ニューヨークに留学するって話、本当だったんだな?」

「社さんは本当に情報通ですね。でも、それはまだ」と、貴島は唇に人差し指をあててウィンクをした。



 数週間後、俺は学園長室に来ていた。

「やぁ、社くん! 今回は随分と素直に来てくれたね」

「蓮とキョーコちゃんのことを報告する義務があるかと思いまして」

「君の尽力があったことは蓮から聞いている。感謝しているよ」

「蓮から話を聞いているんですか?」

「ああ」

「それはよかった……でも、予想外です」

 この親子の確執は永遠に修復されることなどないと思っていた。

「キョーコのおかげでね」

「キョーコちゃんの……あの子は、まるで魔法使いみたいですね」

「ああ。天使だよ」と学園長は笑い、それから、意外な言葉を口にした。

「本当は、君にキョーコを預けるつもりだったんだが、まさか誰にも興味を持たなかった蓮がキョーコに心奪われるとはな……我が息子ながら、いい目を持っている」

 学園長の言葉に俺は一瞬、周囲の時が止まった気がした。どうせ止まったのなら、そのまま数カ月前まで巻き戻してほしいとも思った。

「……学園長? いま、なんて?」

「ん? 蓮はいい目を持っている」

「いえ、その前です」

「誰にも興味を持たなかった蓮が……」

 この人、どんだけ親バカなんだ。俺はすこしイラつきながら聞いた。

「いや、いや、その前ですってば」

「君にキョーコを預ける」

「それです!! どういうことですか!?」

「ああ。前に君を私の部屋に呼んだことがあっただろう? あの時、俺は君にキョーコのことをどう思うか聞いたよな?」

「はい。まさか、あれは……」

「ああ。もし、君がキョーコのことをすこしでもよく思ってくれているのなら、未来のパートナーとして見てほしいと頼もうと思ってな。あの頃のあの子には、まだまだ沢山の愛情が必要だと思ったから。君だったら真面目だし、優しいし、将来性もあるからな。安心してあの子を任せられると思ったんだよ」

 後悔の念から言葉を失う俺に、学園長は能天気に「どうした?」と聞いてくる。

「後悔しているんですよ。ものすごく。そんなことと知っていたら……」

「蓮とキョーコの仲を取り持ったりはしなかったか?」

「……いえ」

 俺は首を横に振った。

「きっと、したでしょうね」

「……」

「でも、もっと蓮をいじめてやってもよかったと思いますよ。俺の未来の可愛いお嫁さんをさらうわけですからね」

「いじめるくらいなら、いまからでも間に合うんじゃないか?」

 それはとても意外な言葉だった。親バカな学園長がそんなことを自分から言い出すなんて。

「……許可がいただけるんですか?」

「まぁ、君の幸せな未来がすこし遠のいたことへの謝罪だよ」

「では、」と、俺はにこりと微笑んだ。

「遠慮なく」





********


ひとまず、これで、番外編も完結です(^^)
長らくお付き合いくださいまして、本当にありがとうございました!

今後はスキビ二次創作は行わずに、オリジナルに力を注ぎ……と力強く宣言したいのですが、
スキビの魔力に何度も負けているので、もう言いません(==;言えません。

また書きたい衝動に襲われた時には、帰ってきまーす☆
それでは、また(^^)!

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