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zoom RSS 新☆LME学園 075 (最終回)

<<   作成日時 : 2014/01/25 16:49   >>

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『秘密の話』と聞いて、最上さんはその瞳をすこし見開いたが、「笑ったりしないでくれる?」と聞くと、その眼差しを真剣なものに変えて、「はい」と頷いた。

「あのね、実は、俺は……」

 真っ直ぐに俺を見つめる最上さんの綺麗な瞳に吸い込まれそうになりながら、俺は慎重に言葉を紡いだ。

「俺は……」

「……」

「……妖精なんだ」

「………」

「……」

「………」

「最上さん?」

 目と口をぽかんっと見開いた最上さんに、俺は首を傾げる。

 さすがに、俺が妖精だなんて話は信じることができなかったのだろうか?

 そんなふうに思った次の瞬間、最上さんは目をキラキラと輝かせて、頬を紅潮させた。

「やっぱり、そうだったんですね!」

「……やっぱり?」

 一体なにが「やっぱり」だと言うのだろうか? こんな嘘臭い話を聞いて……。

 俺は不思議に思ったけれど、最上さんは瞳を輝かせながら力説した。

「やっぱり、敦賀さんがこの森で会った王子様だったんですね!」

「……それは俺じゃないって言ったよね?」

 まぁ、嘘なんだけど……。

「いえ、私にはわかります! ここで会ったのは、敦賀さんです!」

「どうして、クオンだって思わないの?」

「それは……私には敦賀さんだとしか思えないからです」

「随分、自信があるみたいだね」

 俺のことを見失うことのない最上さんへの愛しさがさらに募る。

「……敦賀さんじゃないんですか?」

 困惑気味に最上さんは小首を傾げた。そんな可愛い仕草をする最上さんに、俺はすこし声を潜めて言う。

「……それ、秘密にしてくれる?」

「え?」

「君と会ったのは俺だよ。でも、それは秘密にしてほしいんだ」

「どうしてですか?」

 それは、君とだけの特別な秘密にしておきたいから……そんな本音は、先ほどの嘘で隠す。

「本来、妖精の扉は特別なときしか開かないんだけど、それを勝手に使ったんだ」

「だから、秘密に?」

 俺は最上さんを嘘で包みこむようにして、ゆっくりと頷く。

「わかりました! 秘密は絶対に守ります!」

「ありがとう」

「今日も妖精の扉から来たんですか?」

 純粋無垢な期待の眼差しを向けられ、俺は思わず視線を逸らした。

「あー、その予定だったんだけど……扉が開いている時間には制限があるからね。帰りのことを考えて、今回は人間的な手段で来たんだ」

 何とか誤魔化せているといいけれど……

 俺の心配を余所に、「そうなんですか」と最上さんはあっさり納得したようだ。

「それじゃ、今日は妖精の扉は見られないんですね」

「がっかりさせてごめんね」

「いえ。仕方ないです。それに、私はすでに妖精の王子様に会っていたわけですから、子供たちに話してあげることができます」

「う……ん。そうだね」

 この純粋な少女は一体、どこまでが妖精の世界の話だと思っているのだろう?

「あ、もちろん! 敦賀さんたちが妖精だということは秘密にします!」

「あ……うん。そうしてくれるとありがたいよ」

 ブランコに座る最上さんの前に膝をついて話していた俺は立ち上がり、膝についた草を払った。

「それじゃ、俺は先に戻るけど、君はマリアちゃんが迎えに来るまでここにいて?」

「はい」

 施設に戻ったら、マリアちゃんにお礼を言って、それから貴島くんを何とか言いくるめて帰さなければいけない。

「この逢引も秘密にしてくれる?」

「あ、あいびきって……どうして、そういう言い方するんですか!」

 頬を染めて困りながら怒る最上さんに俺は笑う。

「じゃ、またね」

「……はい」

 最上さんを赤面させることに成功した俺は気分をよくして歩き出す。

 これからきっと俺は苦労するだろう。貴島くんや他のSBのメンバー、その他にもライバルは数え切れないほどいる。

「……」

 俺はすこし考えて、まだすこししか歩いていない道のりを戻る。

「どうしたんですか?」

「俺ね、最上さんにも秘密のことがあるんだ」

「え?」

「そろそろ一人で抱えているのも苦しくなってきたから……秘密の共有、してくれる?」

「私でいいんですか?」

「もちろん」

 俺が真っ直ぐに見つめると、最上さんも真っ直ぐな瞳で見つめ返してくれる。

「あのね……」

「はい」

「君のことが」

「………」

「……好きだよ」

 最上さんの呼吸が一瞬止まる。

「皆に知られてもいい時がきたら、教えて。それまでは、二人だけの秘密だよ」

 いまはきっと、最上さんの一番近くにいる“オトコ”は俺だろう。でも、他のヤツがいつでも追い越せる距離でしかない。

 だから、まず、自分の気持ちを知ってもらうという先手。

 ふられるというリスクも高いけれど、いまのところ、きっと彼女は俺のことをふることはできない……それが、俺に対する同情だったとしても、利用してやる。

 たった一人の俺のお姫様を手に入れるために。



 ― fin ―







********

とうとう最終回です。
でも、無理やり感満載です(><;
ごめんなさい!!
こんなに長いこと皆さまを付き合わせてしまった上に、こんな終わらせ方で大変に申し訳ない(><;;;
しかし、もしよろしければ、もうすこしお付き合いいただきたいです!
番外編が、数話ある予定です(^^;
こりずにまた遊びに来ていただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします☆


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
コメント失礼します。
キョーコさんの純粋さや素朴さ、蓮様の切なさがなんとも素敵なお話でした。キョーコさんはみんなに幸せを運んできてくれるんですね。実は彼女が妖精なんじゃないのかなぁなんて思ったりします。
素敵なお話をありがとうございました。
みかちゅう
2014/01/26 08:40
みかちゅう様☆

コメント、ありがとうございます(^^)!
とっても嬉しいです♪

原作を見ていると、本当にキョコさんが妖精や天使なんじゃないかって思いますよね。

私の二次小説の本編は最終回を迎えましたが、この後に番外編もありますので、また遊びに来ていただけると嬉しいです(^^)
もっと甘々で、ラブラブな二人を書く予定です♪
うちゅうねこ
2014/01/27 21:46

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