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zoom RSS 新☆LME学園 072

<<   作成日時 : 2013/12/25 22:05   >>

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キョコさん、お誕生日おめでとーーー!!


今日で最終話までUPしたいと思っていたのですが、書きあがりませんでした(;_;)
長かったこのお話ももうすぐ完結……というか、本当は夏休み明けの話とかも本編として書こうと思っていたのですが、そうすると、本当にもう何年続くことになるのかわかりませんでしたので、とりあえず、あと1話くらいで完結とし、夏休み後の話とかは番外編としてすこし書かせていただくことにしようと思います☆
もうしばらくお付き合いください(^^)!




********



 貴島くんがここに来ているということは完全に誤算だった。一刻も早く最上さんには会いたいけれど、貴島くんに彼女を会わせたいとは全く思わない。そんなのは勝手なワガママだということは知っているけれど、そんな自分の気持ちを律する精神力は今の俺にはない。

 門の前で出会った彼に「帰ってくれ」と言うわけにもいかず、とりあえず大人しく彼について園長室へ来てみたものの、展開はより一層ややこしくなった。

 宝田園長が最上さんのボディーガードだと紹介したのは、屈強な男たちではなく……本来は無邪気に外で遊んでいるような子供たちだった。その中心にいた男の子は、鋭い眼差しで俺を睨んでいる。

 俺が子供たちの挑戦を受ける覚悟を決め、ソファーから立ちあがると、それを合図にしたように子供たちは廊下へと駈けだした。

 そんな様子を見た貴島くんは「敦賀くん、子供たちを怖がらせたら駄目だよ!」と笑う。

「それじゃ、宝田園長、キョーコちゃんを探させてもらいますね」

 そう言って廊下へと出た貴島くんはすぐに「うわっ!」と声をあげて転んだ。

「足元を狙うのは基本のトラップだからな、気をつけろよ」

 貴島くんは腰をさすりながら立ち上がり、足元のビー玉を拾った。

「園長……」

「ん?」

「全力で行きますよ!」

「おう、頼んだぞ」

 どことなく楽しそうに貴島くんは廊下を歩きだした。

「あいつ、変わってるな」

「そうですね」

「まぁ、子供好きみたいだから、悪い奴ではなさそうだが」

「そうですね」

 貴島くんが子供好きなのは意外な事実だった。

「それで、お前はどうするんだ?」

「俺はこっちから行かせてもらいます」

 園長にそう伝えて、俺は中庭が見える窓を全開にした。

「子供たちが怪我をしない程度に頑張ってくれよ」

「わかってますよ」

 足元を確認し、俺は窓の外へと出た。

 あの子供たちの連携ぶりからすると、最上さんはもうこの建物のなかにはいないかもしれない。

 俺は最上さんの姿を探しながら、同時に小さな女の子の姿を目で探した。

 庭から施設のほうではなく、あえて先ほど通ってきた玄関のほうへと回り込むと、探していた少女の姿を見つける。

 そっと施設のなかを伺うような様子の少女に「マリアちゃん」と小声で声をかけると、マリアちゃんは俺のほうを見て、パッとその顔を明るくした。

「蓮さま! いらしてたの!?」

「うん。久しぶりだね」

「おじい様に呼ばれたの?」

「いや、ちょっと……ね」

 俺が言葉を濁すと、マリアちゃんが不思議そうに小首を傾げた。俺はマリアちゃんが興味を持ってくれるように、話すべきか迷っている素振りをして見せる。

 純粋無垢な少女を騙しているようで気は引けるけれど、最上さんを見つけるためなら……彼女を手に入れるためなら、俺はどんなことでもするつもりでいた。

 じっと、俺のことを見つめているマリアちゃんを俺は横目で見て、それから小声で聞いた。

「マリアちゃんは、秘密を守ってくれるよね?」

 すると、マリアちゃんは深く頷いた。

「あのね……」

「うん!」

「俺はね……」

 慎重な俺の言葉にマリアちゃんは興味深く耳を澄ます。

「最上さんを探しに来たんだ」

「えっ!?」とすこし大きな声を出して緊張したマリアちゃんに、俺は唇に人差し指をあてて見せる。

「マリアちゃんは、知ってるよね?」

「………」

「最上さんの居場所」

 マリアちゃんはきゅっと唇を引き結び、そして俯いた。

「マリアちゃん、最上さんの居場所を教えて?」

 マリアちゃんは自分の迷いを振り払うように思いっきり首を横に振った。

「蓮さま、ごめんなさい! それはできないの!」

「マリアちゃんにとって最上さんがとても大切な存在だってことは知っているよ」

 俺はできるだけ優しく語りかける。マリアちゃんだけじゃない。ここにいる子供たちにとっては、最上さんはすごく大きな存在なのだろう。

「マリアちゃんにとって大切な最上さんはね、俺にとっても、俺の母さんにとっても大切な存在なんだ」

「……蓮さまのお母さま?」

 マリアちゃんが生まれた時にはすでに自分の意志を表すことのなくなっていた俺の母さんのことをマリアちゃんは知らない。はじめて聞くその存在に興味を持ったようだ。

「そう。俺の母さんはね、ずっと病気で寝たきりだったんだ」

「……」

「でも、そんな母さんを最上さんは元気にしてくれたんだよ」

「お姉さまが?」

「うん」

「蓮さまのお母さまがお姉さまに会いたいの?」

 その質問には嘘をつくことになるけれども、俺は「そうなんだ」と微笑んだ。

「俺に、最上さんの場所を教えてくれるかい?」

 しばらく慎重に思案したマリアちゃんは、俺の目を真っ直ぐに見つめ、覚悟を決めたように「わかったわ!」と頷いた。


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