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zoom RSS 新☆LME学園 070

<<   作成日時 : 2013/11/24 21:26   >>

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「貴島さんが来たことは、園長先生に聞いて知っていたのよ」

「なんだ……」

 キョーコに知られないように黙っていようと画策していた俺たちの苦労は最初から意味がなかったというわけだ。

「社さんも一緒だったんでしょう?」

 数日前に来た二人の男の姿を俺は思い出す。一人は貴島とかいうキザな男で、もう一人の眼鏡をかけていた男は社と名乗っていた。

「一緒だったわ。二人とも、お姉さまに会いに来たんですって」

 マリアの言葉に、「きっと、生徒会の用事ね」とキョーコは一人で納得をしている。

 キョーコが鈍くて助かった。社とかいうヤツはまだしも、貴島とかいうヤツは明らかにキョーコのことを“恋人”の対象として考えている様子だった。

「生徒会だかなんだか知らないけど、別に大した用事じゃなかったみたいだぜ」

 キョーコからわざわざ連絡なんてしなくてもいいように言ったつもりなのに、キョーコは「そう、ありがとう」と微笑み、

「後で連絡してみるわ」と言った。

 大人の理由とか、常識とか、社交性なんて知らない俺に、マリアは再び「ばぁーか!」と言った。そんなマリアに苛立った俺が、マリアに向かって行こうとすると、マリアはその顔を純粋無垢な天使みたいな顔に変えて、キョーコに甘えるように言った。

「お姉さま!」

「なに? マリアちゃん」

「今日ね、私、ケーキを作りたいの!」

 そう言ってマリアがキョーコに見せた本に俺も含め、その場にいた他の子供たちはみんな、ゾッとした。

「お前……それ、本当に作る気か?」

 おぞましい姿の蜘蛛型ケーキを指差して聞く俺に、マリアはなぜか自慢げに胸を張って「もちろんよ!」と答える。

「相変わらず、すっげー悪趣味だな……キョーコ、そんなの作んなくていいぜ」

「誰も食べたくないし。そんなの」と、キョーコに視線を向けると、キョーコは眉間に皺を寄せてレシピを見つめている。

 その緊張した表情に、俺はキョーコが気分でも悪くなったんじゃないかと心配した。

「……マリアちゃん」

「なぁに? お姉さま」

 いくら天使のように心の広いキョーコでも、こんな気持ちの悪いケーキを作ることは当然断るだろうと、マリア以外の子供たちはみんな思っていた。

 しかし、キョーコは真剣な表情のまま、子供たちの予想を裏切る言葉を口にした。

「このレシピ、すっごく難しいけど、ちゃんと最後まで諦めないで作れる?」

 マリアは満足した笑顔を浮かべて再びキョーコに抱きつき、俺はというと、ほぼ反射的に天使すぎるキョーコに本気のツッコミを入れていた。


「問題はそこじゃねぇ!!!」



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