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zoom RSS 新☆LME学園 058

<<   作成日時 : 2013/01/18 22:04   >>

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「おはよう」

 廊下で偶然のフリをして彼女と会うのももう何回目だろう? こんなにも不自然なのに、彼女はこの不自然さに全く気付いていない。それが救いであり、同時に、すこしは気付いてくれればいいのに……なんて思ったりもする。

 俺に気付いた最上さんは「会長」と俺を呼ぶために「かい……」と言葉を発し、それから慌てて「敦賀さん」と呼び直した。

「おはようございます」

 いつものように彼女は丁寧に頭を下げる。

「また泣いてたの? 目が赤い」

 俺はさりげなく、昨日のように彼女の頬へと手を添え、指で目元をなぞる。

「すこし夜更かししてしまって」

 俺の下心などには気付かない彼女は、俺の手から逃げることもなく、眉尻を下げて笑う。

「夜更かし?」

「昨夜、クオ……」

 すぐに途切れた彼女の言葉に、俺は「なに?」と聞き返す。

「いえ、なんでもないです」

 その言葉が嘘であることはわかる。けれど、だからこそ、最上さんの言葉を追求する気はない。あいつの名前など、“俺”は聞きたくないのだから。

「今日は早く寝るんだよ」

 そう言った俺を、彼女はきょとんっと見つめ、それからクスクスと笑った。

「なんだか、お父さんみたいですね」

「お父さん!?」

「だって、くすぐったくなるくらいに優しい」

 照れたように、嬉しそうに笑う彼女は可愛くて、つい抱きしめそうになる。そんな衝動をなんとか堪えて、俺は呆れたように「あのね」と言う。

「別に、優しいのは親だけじゃないだろう?」

 俺の言葉に彼女は頷いた。

「そうですね。園長もおじ様も、このお屋敷の皆も優しいです」

「いや、そういうことじゃなくて……」

 俺はただ、君のことが好きなだけなんだけどな。

 誰よりも単純で、不純な理由で君に優しくしてる。

「え?」

「いや、なにもない」

 不純な理由で君に優しくしていることは知られてほしいことでもあり、まだ知られてはいけないことでもある。



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