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zoom RSS 新☆LME学園 056

<<   作成日時 : 2013/01/10 14:18   >>

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 セバスチャンさんやおじさん、おばさんやメイドさん達と食べる夕食はにぎやかで楽しいものだった。

 夕食を終えた私は部屋に戻り、お風呂に入って、おじ様の用意してくれた真っ白なお姫様が着るみたいなネグリジェに着替えた。このネグリジェは毎日替えてもまわせない枚数が用意されている。ネグリジェだけでなく、すべての服がそんな感じで、恵まれ過ぎた環境に私はまだ慣れることができない。

「会長……どこに行っちゃったんだろう」

 ふと、今朝の彼の姿を……私を包み込んでくれた会長の香りを思い出して、頬が熱くなる。

「……つるが…さん」

 彼が呼んでくれと言ったその呼び方をこうして時々、一人で練習するのだけれど、私の心は緊張し、まだうまく呼ぶことができずにいる。

「……」

 熱くなった頬を夜風で冷やすため、私は庭を見渡せるガラス窓を開いた。そして、気付く……月明かりの射す夜の庭に、車椅子に乗った奥様とクオンさんの姿があることに。

 月の光に照らされた美しい金色の髪に、私の唇は知らずに“彼”のことを呼んだ。

「王子様……」

 幼い日の一番綺麗な思い出が胸に押し寄せて、私は慌てて部屋から出る。

 もしかして……期待が、私の足を、心を急かす。敦賀さんと兄弟の彼が、“彼”だったのだろうか?

 いつも奥様と過ごす部屋の前に来ると、私は一度足を止めて、深呼吸をする。それから慎重に、奥様と……おとぎ話の王子様みたいな彼が驚かないように、驚いて、その姿を隠してしまわないように、慎重に扉を開けて部屋のなかへと滑り込んだ。

 月の光を透かすレースのカーテンの間を抜けて、見慣れた大窓へと近づく。

 奥様と一緒に月を見上げている彼はまだ私には気付いていないみたいで、こちらに背を向けたまま、言葉を発することもない。

 静寂のなか、私の心臓は近くで見る彼の姿にますます高鳴っていた。もう一度、会えたのかもしれないという期待に。

 そして、私の唇がもう一度、“彼”を呼ぶ。





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