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<<   作成日時 : 2012/10/31 12:19   >>

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 自分の家のなか、待ち伏せをする。そんな子供みたいなこと、こんな歳になってやることになるとは思わなかった。

 朝早く彼女がキッチンの裏口から菜園へ行くことは知っていたから、キッチンへ続く廊下で彼女が現れるのを待つ。本当は彼女の部屋の前で待つことも考えたが、さすがにストーカーだと思われそうでやめた。

 廊下で10分程待っていると、メイド姿の彼女が歩いてきた。壁に背中をつけて、“待ち”の状態だった俺は慌てて背筋を正し、不自然にならないように彼女に向かって歩きはじめる。しかし、彼女の様子がおかしいことに気がついて、すぐに俺は歩くのをやめる。

 彼女は俺に気付くどころか、床に視線を落とし、寂しそうな表情をしていた。

「………」

 彼女をじっと見つめていたが、彼女は俺に気付くことなく、俺の脇を通り過ぎていく。

 俺は彼女に気付いて欲しくて、彼女の後ろからその耳へと息を吹きかけた。

「っ!」

 彼女は慌てて振り返る。

「おはよう。最上さん」

「か、会長っ!」

 振り返り、俺を見上げてきた最上さんの瞳がすこし赤い。

「……泣いてたの?」

「え?」

「目が赤い。どうした?」

 最上さんが再び下を向いてしまおうとしたから、俺は彼女の頬にそっと触れて、それを妨げる。

「涙の理由、俺には話せない?」

「いえ、大したことじゃないんです」

「話してくれないと、ずっと、このままだよ?」

 白い最上さんの頬に軽く添えていた手をすこし動かして、俺は親指でその頬をなぞった。

 最上さんの頬が淡いピンクに染まる。

「昔の……」

 小さな声で彼女は話しだす。

「うん」

「……夢を見たんです」

「悲しい夢?」

「悲しいというか……」

 最上さんはすこし笑顔を浮かべた。俺に心配させまいとしたのだろうか……? その心づかいが、ますます彼女を愛しくさせる。

「寂しい夢です」

「そう……」

 俺は自分でも驚くほど自然に、最上さんの華奢な身体に腕をまわした。

「っ……か、会長っ!?」

「会長じゃないだろう?」

「……敦賀さん……」

 俺の名を呼ぶその声が微かに震える。

「うん?」

「あの……」

 彼女の寂しい笑顔が愛しすぎて、いつもよりも俺は随分と大胆になっていたのかもしれない。

「寂しい時は、俺を呼んで」

 普段ならこんな台詞、絶対に言えない。

「君の傍にいるから」

 この先の未来、君の傍にいるのは俺がいい……そう、本気で願った。





********

週に1回から2回の更新を・・・と書いた筈が、すでに2週間がたっておりました(=_=;

今週はがんばるぞっ!


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