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zoom RSS 新☆LME学園 033

<<   作成日時 : 2012/02/12 17:41   >>

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 シェフに謝り、急いでお茶の用意をした私は、ミネラルウォーターをグラスに注いでトレーに載せたセバスチャンさんと一緒に厨房から出た。


「おじ様が仰っていた住人って、会長のことだったんですか?」

「はい」

「会長をびっくりさせたかったってことですよね……」

「はい」

「びっくりするというより……怒るんじゃないかと思うんですけど」

 丁寧な返事を繰り返していたセバスチャンさんは意外な話を聞いたかのようにその目を見開いた。

「怒る? 蓮様が最上様に?」

 今度は私が「はい」と返事をする。

「それはないかと思いますが…」

「いえ、絶対にこんな格好をして会長の目を欺いていたことを怒ると思います」

 しかも、さっき会った時も、私は驚くばかりでろくに挨拶もしなかったのだから。正体がばれた時にはねちねちと嫌味を言われることだろう。

「そうですか……あの蓮様が……」

「絶対に怒られますから、私、おじ様の“会長びっくり作戦”には参加できません!!」

「びっくり作戦……」

「私は正体を隠し続けます!!」

 そう断言した私に対して、セバスチャンさんはすこし考える素振りを見せた後、「……わかりました」と、真っ直ぐに誠実そうな眼差しを私に向けた。

「私もご協力します」

 まさか、おじ様の執事であるセバスチャンさんに協力してもらえるとは思っていなかった私は、「本当ですかっ!?」と彼に期待を持った眼差しを向けたのだが……

「はい。私も面白いことは好きですから」

 そう実に楽しそうに微笑むセバスチャンさんを単純に“善人”だと信用してはいけないということを知った。

 そして、このお城のなかにハプニングを楽しまない、常識的感覚を持ち合わせている人間がどれくらいいるのだろうと不安を募らせた。


「そういえば……」

 不安を募らせつつも、会長に会って生まれた疑問を私はセバスチャンさんに聞いた。

「昨夜、おじ様にご子息のことを聞いたらクオンさんという方がいらっしゃると仰っていたんですが、会長とクオンさんは兄弟ということですよね?」

 私の言葉に、セバスチャンさんは頷く。

「クオン様は蓮様の双子のお兄様です。人当たりがよく、メイドにも人気がある蓮様とは違い、人を避ける方ですから、滅多にお会いすることはないかと思います」

「会長も、おじ様とお食事を一緒にしないのでしょうか?」


 セバスチャンさんは意味ありげに微笑んで、「蓮様とクオン様はとても仲がよろしいですから」と言った。


「……二人の仲がいいことと、会長もおじ様と一緒には食事しないということが関係あるんですか?」

「はい」と深く微笑むセバスチャンさんの表情は、なんだか、「それ以上は答えられない」と言っているようで、私もそれ以上詳しい話を聞く勇気は持てなかった。









********


次のお話は視点が変わりますので、ご注意ください(^^)



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