白黒王国国政創造推進課特別室

アクセスカウンタ

zoom RSS 新☆LME学園 018

<<   作成日時 : 2012/01/27 16:50   >>

ナイス ブログ気持玉 10 / トラックバック 0 / コメント 0



「……」

「……」

 SBの生徒会室前の廊下。別に密室だというわけでもないのに、彼女と二人きりだというだけで落ち着かない。

「……俺のことには構わずに行っていいよ」

 しばしの沈黙の後、やっと言えたのはそんな言葉だった。

「俺はテキトーに時間潰してから戻って来るから」そう言葉を続ける筈だったのに、彼女は突然俺の手を握った。

「行きますよ!」

 俺が逃げ出すとでも思っているのか、彼女は俺の手をしっかりと握って歩き出す。

「……」


 すこし心臓が跳ねたような気がしたのは、きっと気の所為だと思う。

 今まで、女性と二人きりになったことも、こうして相手から手を握ってきたことも散々あったのだ。

 それでも、一度たりとも俺の心臓はそんなことでドキリと跳ねたりはしなかった。

 だから、いまさら、四つも年下の少女の行動に心臓が跳ねるなど……気の所為だ。


「いつもあんなの食べてるんですか?」

 食事にはこだわりがあるのか、やけに気にする彼女がすこしおかしくて、俺は口元が緩みそうになるのを堪える。

「まぁ……お昼は大体あれかな」

「どうしてですか?」

「どうしてって……」

「お腹空かないんですか?」

「そうだね。あまり空腹を感じない身体みたいだ」

「……胃腸でも悪いんでしょうか?」

「健康診断はいつもAプラス。健康そのものだよ」

「普通の健康診断では見つからないような病が潜んでいるんじゃないですか?」

 嫌なことを言う彼女に、俺はにこりと微笑んでみる。

「……なに? 君は俺を病気にしたいわけ?」

 彼女は青ざめて俺から目を逸らし、「いえ……」と小さく言った。

「そういうわけじゃないんですが……脂の多いものは食べられそうですか?」

「いや。あまり食べたくないけど」

「じゃ、食堂には行かない方がいいですね」


 そう言った彼女は階段を二階まで降り、その階にある高等部の生徒会室へと入った。そして、生徒会長の机に置かれていた袋から、お弁当箱を取り出して俺に差し出す。

「食堂のメニューは脂っぽいものが多いですから、会長はこれを食べてください」

「これ……」

 俺はお弁当箱を受け取りながら、それを見つめる。

「私が作りました」

 作ったって……

「寮の部屋にはキッチンなんて完備してないと思ったけど」

「寮の厨房のおばさんにお願いして、作らせてもらってるんです。もちろん、材料は私が買ったものです」

「……節約?」

「はい」と彼女は深く頷いた。

「宝田園長は昼食代を出してくれてないのか?」

 そんなセコイ人だとは思わなかったけれど……むしろ、毎日食堂で一番高いランチを食べても困らないくらいのおこづかいをくれてそうなイメージがある。

「園長を知っているんですか?」

「ああ」と頷きながら俺は、なぜ園長と知り合いなのか聞かれたらどう答えようかと思いあぐねたが、彼女はそうしたことは気にしていないようだった。

「昼食代はいただいていますけど、できるだけ使わないようにしたいんです」

「貯蓄してるの?」

「使わない分はお返しできますから」

 ……無駄遣いするわけでもなく、自分のために貯蓄するわけでもなく、大人がくれた金銭をまさかの返還。

「……君は、変わっているな」

「そうですか? 普通だと思いますけど」

 普通……ね。

「とにかく、会長はそれを食べてください。私は購買でパンでも買って食べますから」

 そう言うとそのまま部屋から出て行こうとする彼女を、俺は呼び止めた。

「最上さん」

 振り向いた彼女はなぜかすこし驚いたような表情をしていた。

 そんな彼女に、俺はその瞬間の心からの言葉を伝える。


「ありがとう」







********


最上さん……


やっと! やっと!! 名前を呼んでくれました 。+゚(ノД`)゚+。

長かった!! 無駄に!!!!! ←


名前がないと大変です。

“彼女”という言葉の連続使用はちょっと……だんだん、書いている私が「彼女って誰よ?」とツッコミを入れてしまいましたよ(=_=;;;

とりあえず、二つ目の山を越えたということで、一安心です。



テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 10
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
面白い 面白い 面白い 面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
新☆LME学園 018 白黒王国国政創造推進課特別室/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる