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zoom RSS 新☆LME学園 014

<<   作成日時 : 2012/01/23 11:37   >>

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 ……油断した。



 社さんが生徒会室を出てから、俺はもやもやとした気持ちを抱えたまま今日中に目を通す必要のある資料に目を通し、サインをしなければいけないものにはサインを、訂正しなければいけない文章にはラインを引き、意見を書く必要のあるものにはそれを書き、今後のスケジュールの確認をし……その合間、合間に彼女のことを思い出し、うっかりため息をつきかけて飲みこんだりした。

 そんな風にいつもよりも非効率な状態で仕事をして、考え事をして、もやもやとした気持ちは晴れないまま……彼女の姿がなぜだか脳裏に焼きついたまま部屋を出た。

 だからだろう。油断をしたのは。

 生徒会室の扉を開けて、進むべき廊下へと視線を向けた瞬間に、彼女がいたというだけで、心臓が止まったような錯覚を覚えた。


 だからなんだ。窓の外を見つめる彼女の姿がやけに綺麗に見えたのは、俺が油断していたからなんだ。



「……君はそこでなにをしているんだ?」

 俺の声に、窓の外を見つめていた彼女は緊張し、恐る恐るとこちらへと視線を向けた。

「顔合わせはどうした?」

「……もう終わりました」

「それで、君はなぜここに?」

 彼女は眉尻を下げて、言葉を言い淀んでいる。

「君たちが集まった部屋は三階だろう? ここは四階だ。君たちが高等部の校舎へ戻るためには一階の玄関へと向かうはず。他の出口と言えば裏口だが、どの道、一階へと行かなければいけない。上に上がって来る必要性はない」

 俺が無駄な説明をワザとらしくグダグダとしている間に彼女の表情は徐々に険しいものへと変わる。

「それで、なぜ君はここにいる?」

 と、大袈裟に首を傾げた頃には、彼女の眉は完全につり上がっていた。

「そんなに詳しく言わなくても、会長が抱かれた疑問くらいわかってますよ!」

「それならさっさと答えてくれ」

「……花園が…」と、彼女はまたすこし言い淀み、それから意を決したように俺へ真っ直ぐな眼差しを向ける。

「花園が、見たかったんです」

 その言葉を言うのに、言い淀む必要性などあったのか? そして、こんなにも真っ直ぐな瞳をし、凛っと姿勢を正す必要性などあるのだろうか?

「下の階からでも見えるだろう?」

「見えますが、私が見たかった景色とはすこし違っていて……」

「見たかった景色?」

 彼女の視線が窓の外へと戻される。


「この学園の入学案内のパンフレットにあった景色を見たかったんです」

「……」

「下の階からではすこし高さが違うみたいで……ここからだと、角度が違う気がします」


 そう語る表情が……入学案内パンフレットの表紙の写真を思い出しているのだろうその表情が、全てを物語っているように思えた。その表紙の写真……それはきっと、彼女が育った施設を出るきっかけになった風景なのだろう。


 俺が彼女の思いを全て汲み取ることなど不可能だということはわかっているけれど、血のつながりのない彼女が、施設のなかで作り上げてきた関係性をそこに残したまま、ここへと来た、そのある種の勇気だけは、わかってあげたいと……わかっていられたらと、思った。







********


油断大敵。



ふとした瞬間に可愛いな、綺麗だなと思うことがあれば……それが、警報さ。(←うろ覚え坊名言)


油断してる時にすっと入ってくる“美”には、誰も抗えないと思う。


にしても、この話、長いというか、進みが遅いというか……蓮氏の誕生日後も、グダグダ続いていたらどうしよう(=_=;;;

長いとは思ってたんですが、予想以上に進みが遅いことが問題ですね(=_=;


……ま、なんとかなるかなヽ(*゚∀゚*)ノ ←考えるのを放棄した。



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