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zoom RSS 新☆LME学園 04

<<   作成日時 : 2012/01/13 15:21   >>

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 まるで高級ホテルのスイートルームのように豪華な部屋のカーテンを開くと、この学園が誇る美しい花園を一望することができる。その大窓の前に置かれた重厚な作りの机と椅子。品のある革張りの椅子に座った俺の横に立ち、社さんは机の上に置いてあった資料を手に取って興味深げに眺めた。

「お前が今年の高等部の受験合格者の資料を欲しがった理由は、キョーコちゃんだったんだな」

 時間を取るだけで生産性のない朝礼は、目立つことの好きな貴島くんに任せて俺と社さんは早々に生徒会室へと引き上げてきた。村雨くんと石橋くんは貴島くんのサポート役に体育館へと置いてきている。

「他人にも、この学園にも、自分自身にさえも興味のないお前が、今年の新入生に興味を持つなんて変だと思ったんだよな」

 社さんが手に取った資料の一番上に彼女の名前はあった。五十音順ではなく、入試の点数順で記された名簿の一番上に名前が載った彼女が首席合格者だということはすぐにわかる。そればかりか、彼女はこの学園はじまって以来の全試験満点という記録を作り上げていた。

「まぁ、お前がキョーコちゃんに魅かれる理由もわかるよ。あの子はいまどきの女の子にしては礼儀正しくて、真面目で、いい子だもんな」

 なにも答えない俺に、社さんは言葉を続ける。

「告白は早くした方がいいぞ? いくらSB史上もっとも人気の高い会長とは言っても、選ぶ権利は向こうにあるからな。ライバルが少ないに越したことはない」

「告白」の言葉に、俺は思わず社さんへと視線を向ける。

「告白なんてしませんよ。別に、そういう意味で気にしたわけじゃないですから」

 社さんは意外そうな表情を浮かべて「そうなのか?」と聞いてくる。

「当然でしょう? あの子、四つも年下ですよ?」

 常識的なことを言ったつもりの俺に、社さんは明らかに「なに言ってるんだ? お前」という顔をして、「蓮」と俺の名前を呼んだ。

「四つの歳の差なんて、歳の差カップルの枠に入らないくらいの些細なもんだぞ」

「でも、相手は高校生ですよ? それも入学したての」

 社さんはますます「なに言ってんだ?」という表情を深める。それから「どういうボーダーラインなのかわからないけど……」としばし目蓋を閉じて考える素振りを見せる。しかし、社さんが次に目蓋を持ち上げた時にはすでに、その表情は常の冷静なものに戻っていた。

 そして、はっきりとした口調で言った。


「お前が狙ってないなら都合がいい」


 それはどういう意味なのか、俺は眼差しだけで社さんにそう聞くと、改めて俺に視線を合わせた社さんはニィッと口角を上げた。

「知ってるだろう? 俺、ああいう清楚で可憐な子が好みなんだ」

 清楚で可憐? あの子が? 俺には、彼女はすぐに感情を顔に出す短気で、さらには頑固なタイプの人間に思えるけど?

「……」


 ……まぁ、でも、あの日に見た真っ直ぐな眼差しを思い出すと、純粋な人間であることには間違いないのかもしれない。


 俺がそんなことを思っている間も、社さんの言葉は続いていた。

「ライバルは少ない方がいいからな。強的になりそうなお前と貴島くんが狙ってないうちにアプローチしておかないと」

 さっきから繰り返される言葉が気になる。

「ライバルなんて、いるんですか?」

 社さんは呆れた視線を俺に向け、「当然だろう?」とブレザーの内ポケットから手帳を取り出す。

「高等部のなかには彼女をちらちらと確認してる男子は数名いるし、大学生のなかにもいる。部活で一緒の中等部のなかにも、よく気が利いて世話を見てくれるキョーコちゃんを慕ってる子はいるから、それが恋情に変わるのはすぐだろう。目下の俺の最大のライバルは石橋くんかな。広大な庭を管理するために園芸委員の活動で毎日のように顔を合わせるだろうからね」

 社さんは手帳をチェックして、「彼女が入学してから三ヶ月経った現在、俺のライバルになりそうな人間は低く見積もっても二十五名はいるな」と言った。その手帳はSBの会長である俺のスケジューリングをするための手帳の筈だが、そんな細かいことなどいまの社さんには関係ないのだろう。

「このうち、六名はすでにキョーコちゃんに告白して玉砕している。でも、まだ諦めた様子は見せないから、油断はできないな」

 すでに彼女に告白している人間がいるという事実に俺は驚いた。

「彼女はまだ入学して三ヶ月ですよ?」

「だから、お前がそこでボーダーラインを引いている理屈がわからないんだよ。恋するのに年齢とか、期間とかそんなの気にする奴はいない」

 いや、いないというのは言い過ぎだろう。そう思っていると、社さんが「少なくとも」と付足した。

「多感な学生時代にそんなことを気にする奴はいないから、お前は完全に出遅れるぞ」

「だから、別に俺は彼女のことが好きなわけでは……」とそこまで言った俺の言葉を社さんが遮る。


「じゃ、どうして、俺の話を聞いてそんなにイライラしてるんだ?」


「え……」

 すごく面白いおもちゃを手に入れたような社さんの顔を見ながら、俺は自分の感情を確認する。

 学園内では温厚な紳士の仮面を被っている俺が、イライラしている? そんなことはない……そう思いたかったが、確かに、俺の心は穏やかではいられなかった。


 でも、それは、別に俺が彼女のことを好きだからとかじゃなくて、目の前のニマニマと笑っているだらしないその顔に腹が立っているからだ。







********


これからしばらくは、ヤッシーがかなり大活躍しそうです♪

次号より、ヤッシーの回ですからwwwww

白黒に遊びに来てくださってる方のなかにいるかどうかわかりませんが、ヤッシーファンの方、ヤッシーの敏腕ぶりをお楽しみに☆☆☆


さて、私はこれからスキビを読み返そうと思います!

栄養(スキビ)補給大事!!!


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